木材による湿度の調整

木材による湿度の調整

Q: 人がいる居住空間内で木材は湿度を調整してくれますか?

 

A: 木材を内装に用いることで、木材の吸放湿作用により室内空間の湿度を一定に保ち、ハウスダストの原因となるダニや細菌が繁殖しにくくなります。

 

データ1

内装に木の無垢材を用いた部屋と、木目調のビニルクロスを用いた部屋で睡眠時における室内の湿度を測定すると、季節に関わらず、無垢材の部屋の方が、ビニルクロスを張りつけた部屋より湿度が低くなります(下図)。
通常、寝ている状態では人の呼気や発汗等により時間と共に湿度が上昇しますが、無垢材が吸湿作用を発揮し、その上昇を抑制したと考えられます。
ビニルクロスを貼り付けた内装では、水分をあまり吸収しない素材が表面に露出しているため、容易に湿度が上昇してしまいます。

データ2

木の塗り壁Mokkunとビニルクロスの実験キットでの調湿実験においては、湿度・室温ともに同じ条件で紙コップ1杯のお湯を入れて経過観察したところ、ビニルクロスの部屋では湿度が急上昇し、結露を起こしてしまった。
それに対して木の塗り壁Mokkunは結露を抑制していることが分かります。

ヤマガタヤ産業(株)社内試験

 

データ3

実験により、外気の湿度変化と比較して、木材内装の部屋ではあまり湿度が変化していないのが分かっています。
これは“木材の吸放湿作用”が働いているからで、木材は室内が乾燥している状態では木の中に含まれている水分を放出して、湿度を上げようとします。反対に、湿気が多い状態では余分な湿気を吸収しようとするのです。
また、木材は大気に比べて湿気を蓄える能力が著しく大きい特質があります。そのため、木材中からの水分の出入りだけで、室内の湿度を十分にコントロールして安定した状態に保つことができるのです。

 

試験:独立行政法人岐阜工業高等専門学校建築学科中谷研究室

 

データ4 木の塗り壁Mokkunの吸放湿性能

Mokkunは珪藻土・漆喰に比べて吸放湿に優れていることが分かる。これにより結露を抑制できると言える。Mokkunは木材を微粉砕したことにより、その能力が増していると言える。

試験:独立行政法人岐阜工業高等専門学校建築学科中谷研究室