木材の触り心地の影響

木材の触り心地の影響

Q: 木材の触り心地は人にどのような影響を与えますか?

 

A: 木材の持つ独特の触り心地は人体への生理的なストレスが少ないことが分かってきました。

 

木材は顕微鏡レベルで見ると、中空のパイプ状の組織が並列に配列したハニカム構造を持っており、このことが木材特有の接触
感を生み出しています。
血圧はストレスがかかると上昇することが知られています。木材、および他材料への接触が血圧に及ぼす影響について調べたところ、木材は他材料と比べて、生理的なストレス状態を
生じさせにくいとする研究結果が得られています。
アルミニウム、アクリルなどの人工物へ接触したとき材料が室温のときも血圧は上昇し、材料温度が高温あるいは低温のと
き、血圧上昇はさらに大きくなりますが、木材への接触においては、室温での血圧上昇は小さく、低温時には血圧上昇をもた
らしませんでした。
このような木材の性質は、人体が直接触れるような用途、たとえばフローリングや手すり、鍋などの柄に適しているといえます。

青および緑色の地色は血圧の変動範囲を、実線は血圧の平均値を示す。
出典/「最新データによる木材・木造住宅のQ&A」, 木構造振興株式会社, p.42 (2011)